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藤井 健太郎; 鹿園 直哉; 横谷 明徳
no journal, ,
SPring-8から得られる軟X線を線源とし、OHラジカルを介さず光電効果及び低速二次電子の作用により直接生じる損傷の収率の励起元素依存性を明らかにすることを目的とした。軟X線のエネルギーを選択することにより、特定種のDNA損傷を誘発することのできる新たな手法の可能性を示唆する結果が得られた。各種分子変化の収率とXANESスペクトルの変化を相互に比較しながら、各エネルギーの照射でどのような分子変化が起こっているか議論する。
横谷 明徳; 藤井 健太郎; 福田 義博; 鵜飼 正敏*
no journal, ,
これまで、DNAを構成する窒素や酸素のK殻励起により生じる、照射中にのみ観測される短寿命の不対電子を有する分子種を測定し、これが突然変異の誘発の原因となる化学的に安定なDNAの分子変化(損傷)にどのように固定されて行くのかを明らかにすることを目的として、SPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した電子常磁性共鳴(EPR)装置を用いたラジカル生成機構の研究を行ってきた。今回、仔牛胸腺DNAの薄膜及び核酸塩基(チミン及びシトシン)の蒸着試料を作成し、EPR装置を用いて真空中で単色軟X線を試料に照射しながらEPRの"その場"測定を行ったのでその結果を報告する。
安居院 あかね; 松本 紗也加*; 櫻井 吉晴*; 伊藤 真義*; 本間 慧*; 辻 成希*; 櫻井 浩*
no journal, ,
本研究では、磁気コンプトン散乱実験によってTbCo合金膜のSSHMを測定し、スピン・軌道、元素別に磁化曲線を見積もることを試みた。TbCoの磁気コンプトン散乱強度の印可磁場依存性から得たSSHM測定の値と基準試料の値からモーメントの絶対値を求めた。解析の結果、スピンと軌道の磁化曲線は形状が異なった。これは、TbとCoの元素別の磁化曲線の違いに起因すると考えている。
水牧 仁一朗*; 安居院 あかね; 魚住 孝幸*; 井上 暁*; 河合 正徳*; 市川 能也*; 島川 祐一*
no journal, ,
本研究では無限層鉄酸化物SrFeOのFeの3d電子構造と結晶構造の異方性の相関を明らかにするために、SrFeO単結晶薄膜を用いて、Fe-L, O-K吸収端においてX線吸収測定(XAS)及びX線発光分光(XES)測定を行った。XAS及びXES両スペクトルに明瞭な偏光及び配置依存性が見られた。これは、Fe-3d電子構造の異方性を示している。
泉 雄大*; 今津 亜季子*; 三本 晶*; 田邊 真依子*; 中川 和道*; 田中 真人*; 安居院 あかね; 室 隆桂之*
no journal, ,
生体アミノ酸が共通して持つCOO酸素1s遷移に帰属される自然円二色性(NCD)スペクトルは、アミノ酸の種類(側鎖の違い)によって異なる強度,符号を示す可能性がある。本研究ではSPring-8 BL25SUで、L-Asp, D-Aspの真空蒸着膜を試料としてNCDスペクトル測定を行った。L-Aspは、光子エネルギーの増加とともに、負から正に転じるNCDを示したのに対し、L-Serは正から負に転じるNCD, L-Alaは負のみのNCDを示した。
小池 雅人; 今園 孝志; 河内 哲哉
no journal, ,
現在X線多層膜をラミナー型回折格子に付加し2keV近辺まで実用になっている平面結像型斜入射分光器のさらなる高エネルギー領域への拡張及び広帯域化が望まれている。このような要求に対応するため、透過率の低い低エネルギー光に対応する周期長の長い多層膜を上部に、透過率の高い高エネルギー光に対応する周期長の短い多層膜を下部に形成すれば入射角一定の条件で広帯域の光に対して多層膜のいずれかの部分が回折格子の条件,拡張Bragg条件を満たし回折効率を保てるようにできると考えられる。また、多層膜の周期長を連続的ではなく、階段状に変化させる方が回折効率の予測,製作が容易で実用性が高い。これらの観点から23.8keV(0.330.62nm)を対象エネルギー領域とし、その内の5波長に対応する5つの周期長からなる多層膜を平面結像型斜入射分光器用不等間隔溝ラミナー型球面回折格子に積層した場合の回折効率のシミュレーションを行った結果について述べる。
今園 孝志; 佐野 一雄*; 鈴木 庸氏; 河内 哲哉; 小池 雅人
no journal, ,
軟X線領域において完全偏光測定を行うための偏光解析装置を開発した。装置性能の評価実験として、イオンビームスパッタリング法により作製したMo/Si多層膜(23周期,周期長10.36nm)を用いて波長12.414.8nmにおける軟X線光学素子評価ビームラインBL-11(立命館大学SRセンターに設置)の直線偏光度測定を実施した。その結果、検光子(偏光子)の反射率及び偏光能()は波長に強く依存し、14nm近傍でピークを持つことがわかった(%, =99%以上(=1, 2))。これは作製したMo/Si多層膜が当該波長域で高反射率・高偏光能な偏光子として機能していることを示している。一方、直線偏光度は測定波長域において%で、波長にはほとんど依存せず一定であることがわかった。計算によるとビームラインの出射ポートにおける直線偏光度は90%であることから、本測定で得られた結果は計算値ともよく一致することがわかった。
Mannan, M. A.; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 成田 あゆみ; 永野 正光*; 野口 英行*
no journal, ,
シリコンポリマーは、炭素系ポリマーに比べてシグマ軌道間のエネルギーギャップが小さいため、一次元電導体や発光素子としての応用が期待されている。本研究では、導電性透明薄膜であるインジウム・スズ酸化物(ITO)表面にポリジメチルシラン(PDMS)を蒸着し、その電子状態と分子配向を直線偏光した放射光を用いたX線吸収端微細構造法(NEXAFS)及びX線光電子分光法(XPS)により調べた。多層蒸着した薄膜のSi K-吸収端のNEXAFSスペクトルには少なくとも4つのピークが認められたが、このうち、1842.0eVと1843.2eVの2つのピークに顕著な偏光依存性が認められた。この偏光依存性を詳細に解析した結果、PDMSポリマーはITO表面に垂直に並んでいることを明らかにした。
本田 充紀; 安田 良; 林田 洋寿; 野島 健大; 飯倉 寛; 酒井 卓郎; 松林 政仁
no journal, ,
中性子による燃料電池内部可視化技術は光学レンズとCCD検出器を組合せたシステムや、中性子イメージインテンシファイアを用いた研究が盛んに行われている。可視光光学系技術にFiber Optics Plate(FOP)カップルCCD検出器がある。これは光ファイバーを数千本から数万本束ねたものをCCD検出器にカップルさせたもので、光学レンズを用いないためレンズの焦点合わせが不要で変換効率が高いことから簡便で高分解能化が期待できる。今回従来のFOPを改良した低NA(低開口数)タイプのFOPを開発し中性子による可視化実験へ向けた前段階として軟X線によるイメージング試験を行ったので報告する。放射光軟X線をNi gridに照射し蛍光体で可視光に変換したものをFOPを介してCCD検出器により可視化した。その結果Ni gridのシャープなエッジを確認した。試作のFOPよりさらに高画素なFOPの開発についてと空間分解能評価について、変調伝達関数(MTF)などによる評価結果を報告する。
藤森 伸一; 川崎 郁斗; 保井 晃; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦
no journal, ,
ウラン化合物は、超伝導・強磁性・反強磁性及びそれらの競合・共存など、多様な物性を示すことが知られているが、特に幾つかのウラン化合物で発現している磁気秩序状態と共存する非従来型の超伝導は、ウラン化合物の最も顕著な性質である。近年の軟X線領域における角度分解光電子分光実験の進展によって、ウラン化合物の物性を支配している準粒子バンドの直接観測及び理論との直接比較が可能となった。この発表では、UFeGaなどの非磁性U5遍歴系化合物から、UPtGaなどの磁性体,UPdAl, UNiAl, URuSi, UPtなどの超伝導体、さらにはU5局在系であるUPdなどに対して系統的に対して行った角度積分・角度分解光電子分光実験の結果について発表する。
下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; Uddin, M. N.*; 永野 正光*
no journal, ,
グラファイト状炭窒化ホウ素(B-C-N)は組成と原子配置に依存して金属から半導体までさまざまな電子構造をとることが期待されているが、複雑な化学結合状態の混在により構造解析は難しく、得られた材料の原子配置に関してはほとんどわかっていない。われわれは、ボラジンを用いたイオンビーム堆積法によりグラファイト表面にB-C-N薄膜を合成し、NEXAFS分光法によりその局所構造について調べた。B及びN吸収端においてNEXAFSスペクトルはグラファイト的な偏光依存性を示し、主な副生成物である六方晶窒化ホウ素には観測されない複数の*ピークを低エネルギー領域に示した。これらの*ピークは低フルエンスにおいて強く観測され、グラファイトへのB, Nドーピングによって得られた何らかのB-C-N化合物に起因した成分であることを示唆する。そこでわれわれはグラファイト構造を持つ複数のモデルクラスターの部分状態密度をab initio分子軌道法によって計算し、実験結果と比較した。われわれは*ピークの相対強度と原子配置の間にある相関関係からB-N間の分極を阻害しないようにB, C, N原子が配置されるという法則について提案する。
岡島 由佳; 米田 安宏; 齋藤 寛之; 二澤 宏司*; 山本 雅貴*; 後藤 俊治*
no journal, ,
X線ビームの水平方向の発散が非常に大きい偏向電磁石ビームラインにおいて、試料位置におけるX線強度(密度)を増大させるには、水平方向の集光が不可欠である。二結晶分光器の第二結晶によるサジタル集光光学系は、分光可能な全エネルギー範囲において集光を行うことが可能なため、広いエネルギー範囲における最も有効な集光手段である。BL14B1では、Si(111), Si(311), Si(511)結晶面の迅速な切り替えとサジタル集光性能の両立を目的とし、光軸を中心にSi(311)結晶を回転傾斜させる可変傾斜型サジタル集光光学系のスタディを実施してきた。続いて回折実験を中心にさまざまな実験への適用を行い、従来の光学系では困難であった実験も可能となっている。当日は、改良を重ねてきた光学系の現況を報告するとともに、サジタル集光を利用した実験例として、高圧プレスを用いた回折実験及びPDF解析,XAFSを取り上げ、利用実験者側の視点から見たサジタル集光ビームの利点や、実際に得られるデータの特性について紹介する。
松村 大樹; 岡島 由佳; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 谷口 昌司*; 上西 真里*; 田中 裕久*
no journal, ,
触媒材料としての金属粒子を微細化することの意味合いには、比表面積を増大させることのみならず、ナノスケール物質独自の性質の発現がある。微細粒子独自の性質を理解するためには、構造/形態/電子状態を直接かつ詳細に観察することのできる「眼」が必要とされる。本研究ではPd金属微粒子に着目し、CO/NO触媒反応時における金属微粒子の応答を、分散型XAFS法により、「その場」かつ「実時間分割」で観測した。分散型XAFS法は、スペクトル計測時に物理的に動く機構がないという性質から高い安定性が期待される。結果、分散型XAFSの安定性という特長をフルに生かすことにより、金属微粒子の膨張収縮,凝集分散,酸化還元といった様子を、直接観測することができた。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
no journal, ,
次世代のデバイス材料として有機薄膜が注目を集めているが、基板上での有機分子の化学状態についてはいまだ未解明の部分も多い。特に酸化物への有機分子の固定化はデバイス応用を考えるうえで重要であるのにもかかわらず、研究例は少ない。そこで本研究では、アルコキシドが酸化物と化学結合を作ることを利用し、シリコンアルコキシドを持つ分子と酸化物の界面の化学結合状態及び分子の配向について調べた。有機分子の試料にはシリコンアルコキシドを持つメルカプトプロピルトリメトキシシラン分子を用いた。分子を吸着させる基板にはサファイア及びAlO薄膜を用いた。試料はX線光電子分光法(XPS)とX線吸収微細構造法(XAFS)により測定した。MPTS分子単層膜のSi1sXPSスペクトルからは、MPTS分子のシリコンアルコキシドが酸化アルミニウム表面と化学結合を形成していることがわかった。また同様に、単分子層のSiK吸収端NEXAFSスペクトルでは入射角依存性が見られたことから、MPTS分子は酸化アルミニウム表面に対して垂直方向に配向していることがわかった。
平尾 法恵; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 成田 あゆみ
no journal, ,
放射光を用いた光電子顕微鏡(PEEM)は、固体表面における原子価状態,電子構造,分子配向などに依存した画像をナノメートル領域で観察するための有力な手法である。現状では数秒のオーダーでナノスケールの画像を観察することができる。表面反応ダイナミクスなどの高速現象を追跡するためには、より短時間でPEEM像を観察する必要がある。そこで、最近開発されたポリキャピラリーX線レンズを使用し、軟X線領域(1.84.2keV)の放射光集光試験を行い、PEEM像観察に応用した。その結果、ポリキャピラリーレンズを用いることにより、PEEM画像の輝度が50倍となり、10ミリ秒でのPEEM画像の観察が可能となったので報告する。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
固体表面反応の原子レベルの実空間"その場"観察を実現するために、SPring-8のBL23SUに設置したSUREAC2000に超高真空走査型プローブ顕微鏡を常設し、その性能評価を行った。加熱清浄化したSi(111)基板をSTM観察した結果、77構造のコーナーホールが広い範囲で安定に観察できるとともに、高分解能観察では77構造に加えて、欠陥や吸着物と思われる濃淡が確認できた。放射光ビームラインにおける原子レベルでの実空間"その場"観察を実現できた。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
酸素分子の並進運動エネルギーと酸素吸着構造及びSi酸化状態の生成の関係から、Si(111)-77表面の初期吸着確率が変化する原因を明らかにした。並進運動エネルギーによってins oxygenの生成確率が変化することを明らかにした。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
Si(111)-77表面の室温酸化における酸化物と77構造の共存を、リアルタイムSR-XPS, LEED及びSTMを併用して確認したので報告する。
Harries, J.; 吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
超音速の窒素分子ビームをAl(111)表面に照射した。窒素の吸着曲線は放射光X線光電子分光法を用いて測定した。反応閾値の1.8eVより高い2.0eVのビームを利用したときの吸着曲線はリニアの形を示した。角度分解光電子分光スペクトルから深さ方向の元素分布を求めた。その結果窒素がバルクの中に入ることがわかった。
春山 雄一*; 寺岡 有殿; 松井 真二*
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TiVCr系合金はBCC構造を持つ固溶体型三元合金で、水素を吸蔵することが知られている。水素吸蔵量は約2.3重量%で比較的大きいことが特徴である。合金が水素を吸蔵するためには、初期活性化により表面の変性が必要である。われわれは、水素吸蔵合金であるTiVCr表面の電子状態及び水素の影響を調べるために、内殻光電子分光,価電子帯光電子分光、及び、X線吸収端微細構造分光測定を行った。さらに、それらの加熱温度依存性についても調べた。加熱温度が上昇するとV及びCrに比べてTiの強度が増加した。これは、加熱によりTiが表面に拡散してくることを示している。